2015年オリーブオイルの行方(搾油所見学その1・シチリア島・ラグーサ)

プーリアにて。樹齢900年のオリーブの木と共に

プーリアにて。樹齢900年のオリーブの木と共に


年が明けてからはや20日・・・

みなさま、遅ればせながら、本年も何卒よろしくお願いいたします!

ブログのUPが遅くなりましたが、昨年10月から11月にかけて今年度のイタリアのオリーブオイルの搾油状況を確かめるため、イタリアに行ってきました。
日本にいる時にも小耳に挟んでいたのですがイタリアに着いてから愕然・・・。

今年のイタリアのオリーブオイルは70年に1度の凶作だったのです。

初のシチリア入り!
いつも日本で販売を手伝っているオイルのフラントイオ(搾油所)に行ってきました!

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幸いなことに、シチリア島(ラグーサ)のオリーブはイタリアの他の地域に比べると収穫量もわりと良いみたい。それでも例年に比べると搾油量は少ないそうです。

DOPの搾油は終わってしまっていましたが、フラントイオはまだ稼働していました。

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搾油所の風景。中はオリーブオイルを搾った香りでむせかえり、空気が重たい感じ。
まずは収穫し、カセッタ(カゴ)に入れられたオリーブたちはフォークリフトで運ばれ、ベルトコンベアーで上の方に流れていき、オリーブの葉や小枝などを吹き飛ばしていきます。

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ぐんぐん登って行く。。。

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それから洗浄、そして破砕の作業。
こちらのフラントイオでは遠心分離法を用い、オリーブの実の洗浄から破砕、抽出までがひとつのラインとなっています。

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何段階にも分けて破砕され、オリーブの実から水分を搾りやすくしていきます。
ここでは温度管理がとても重要!

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そして、搾られた水分はさらにオイルとそれ以外の水分とに分けられます。

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そうしてできあがったのがノヴェッロオイル!!!なんて美しいグリーン!

美味しいオリーブオイルを作るにはたくさんの工程があって、どれもとても重要なんですが、フラントイオで搾油機を操る職人さんたちのちょっとしたさじ加減で、おんなじオリーブの実から全然違った味わいのオリーブオイルが出来てしまいます!

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今年トスカーナやウンブリアなどでは、あまりに収穫量が少なくて、搾油をあきらめてしまった生産者さんもいらっしゃるそうで。。。
大切に育ててきたのに、自然は容赦ありません。

でもこんな異常気象を作ったのは私たち人間。
CO2排出、大気汚染などによる地球温暖化・・・自然は我々に警告しているのでしょう。

それでも美味しく出来上がったオリーブオイルはその自然からのたまもの。

今年は日本でもオリーブオイルの値段が上がりそう。
そして、イタリア人たちが口をそろえて『偽物がでまわるぞ』と言っています(^_^;)・・・

2015年はオリーブオイル業界にとって『Pazienza(我慢)』の年になりそうです。

イタリアンXmas Cooking パーティ

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早いもので、もう12月も半ばに差し掛かりました。

今年1年の締めくくりとして、オリーブオイルセミナーの生徒さんたちと何かイベントやりたい!と思い、我が家にみんなを招いてのクリスマスパーティーを企画したところ、あっという間に定員オーバー!(ありがたや!)急遽予定日を1日追加、みんなでイタリア料理を作りながら・飲みながらの
『イタリアンXmas Cooking パーティ』を開催いたしましたー!\(^▽^)/

10月末から1か月ほどオリーブオイルの搾油状況を見るためにイタリアに行っていたので(そのうちブログにアップしていきますね)、この日のためにイタリアから日本ではなかなか手に入らないイタリア食材を調達!
お部屋もテーブルコーディネイトもクリスマス仕様で気分を盛り上げて、パーティの始まり始まり!

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今回クリスマスということで、お料理ももちろん
『イタリアのクリスマス料理』
そして、みんなとやりたかった『手打ちパスタの会』

みんなでパスタを打ちながらアぺリティーボのようにつまんで飲んで、とってもユルユルなレッスンです♪

アペリティーボ

ブルスケッタにノヴェッロをたっぷりかけて♪

手打ちパスタはクリスマスなので特別に2種類。

今回はトルテッリとタリアテッレを作りました。
パンと比べるとコネ加減は固め。『手打ちパスタ、初めて~!』なんて声も上がりましたが、そこはプロの主婦。あっという間に手慣れていきます。
1人で全行程は疲れるのでペアを組み、順番に休みながら捏ねていきます。

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軽く手で伸ばしてパスタマシーンにかけていきます。タリアテッレが出来た時はちょっと感動♪ トルテッリは帽子の形に。

レッスンメニューのご紹介♪

アンティパストは『Aspic di verdure miste e gamberetti』
(彩り野菜とエビのゼリー寄せ)

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イタリアではカソリックの教えで、キリストが生まれる前日にはお肉を食べない習慣があるそうです。なので、イヴはイタリアのどこの町でもお野菜か、お魚のお料理を食べます。

そして先ほどみんなで捏ねたパスタをプリモピアットに。

一つ目はロンバルディア地方でクリスマス・イヴに食べる『Tortelli di zucca』
(カボチャのトルテッリ)

tortelli
こちらのお料理もカソリックの教えに則り、リピエーノ(詰め物)は『カボチャ』でお肉を使いません。

でもここは日本なので(笑)クリスマス当日のお肉メニューも食べちゃいましょう!

『Brasato al Vino Rosso』
(牛肉の赤ワイン煮・タリアテッレ)

vino rosso

お肉を厚めにして作れば立派なメインにもなる、一見手がかかって見えるこのお料理、実はめっちゃ簡単です♪
自分たちで打ったパスタなので美味しさも一入!

セコンドピアット(メイン)は 『Petti di pollo con capperi』
(チキングリルのケッパークリームソース)

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本来なら七面鳥といったとこですが、日本のご家庭でもできるように鶏肉を使いました。

ドルチェはクリスマスの定番『PANDORO』(パンドーロ)
マスカルポーネソースを添えて

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これはいつもイタリア人の私の妹、Annaがプレゼントしてくれる、我が家の定番中の定番♪
パネットーネと違い、ドライフルーツなどは入っていません。
かけるソースをチョコレートや生クリームなど、お好きなものに変えてアレンジできますが、私はやっぱりマスカルポーネが一番好き♥

普段セミナーでは時間がなくて話せなかったあんなこと・こんなこと。。。
食べて飲んで話して笑って・・・朝10時から始まったクリスマスパーティー、気が付けばなんと夕方6時!
2日間に渡り、訪れてくれたみなさんと、本当に楽しいひと時を過ごすことが出来ました!
今年セミナーにご参加くださったみなさん、そしてこのサイトを訪れて下さった方、この一年間、ありがとうございました。

※今月のオリーブオイルセミナーは12月19日(金曜日)です。まだ残席ございます。ご興味のある方、mina★oliveoilcafe.com(★を@に変えてください)までご連絡お待ちしております。

(下のコメントからもどうぞ!)

イタリアンレシピ:ペーストジェノベーゼ(Pesto alla genovese)

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先日、テラスでボーボーになっていたバジルを収穫、ジェノベーゼソースを作りました。
一度家で作ったものを食べると、もうビン詰のモノが食べられません。。。

違いはやっぱりオリーブオイル!

イタリア製でお高いビン詰であっても、透明なビンに入って、常温保存扱いで、たぶん普通コンテナで輸送されてきて、お店でも常温扱いされているので・・・美味しくないんですよ。。。

まだまだオリーブオイルに対する認識が甘いです。本当はもっともーーーーっと美味しいのに!

ジェノバを州都に持つ、リグーリア州の郷土料理です。

以前、イタリア人の友人から教わった伝統的なジェノベーゼソース(彼らは『Pesto(ペスト)と呼ぶ』)の作り方をご紹介します。

自家製!ジェノベーゼソース

<材料>(分量は目安です。味を見ながらお好みで加減してください)
・バジルの葉っぱ 30~50g
・新鮮なオリーブオイル 80g~
・パルミッジャーノレッジャーノ 20g~(塊。削ったものでもOK)
・ニンニク 1片
・松の実(なければクルミでも可)30g~
・塩 適量

<準備>
・バジルの葉っぱを洗い、キッチンペーパーなどで水けをふきとり、茎から取る
・松の実は軽くフライパンで炒る ・パルミッジャーノは軽く刻む

<作り方>
(今回はハンドブレンダー使用・ジューサーやフードプロセッサーでも)
1.バジルの葉→その他固形物→バジルの葉→オイルの順に容器に入れ、全部いっぺんにブレンダーでペーストにしてbuon appetito!

バジルペースト

簡単すぎ!(笑)

※バジルは熱に弱く変色してしまうので混ぜすぎに注意してください。
(本当はオイル入れないですりつぶして、最後にかけるのがベストなんですけどね、ブレンダー使うと液体が入らないと混ざりにくいので・・・)

分量はお好みで。我が家では一度にたくさん作って、冷凍保存しています。
そうすれば、いつでも色鮮やかなバジルペーストが食べられる(*´艸`*)

今回はお刺身用のタコにバジルペーストをあえてアンティパスト(前菜)にしました。

パンやパスタはもちろん、お魚やお肉・お野菜にも合うので是非お試しを~!

Cpiconクックパッドで紹介しています

オリーブオイルのラベルの読み方①(本当の産地の見分け方)

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先日(9月19日)のセミナーではオリーブオイルの選び方をテーマに、ボトルのラベルを読み解いてみました。
特に普段字が小さすぎたり、日本のラベルが貼られてしまっていてあまり見る機会のない『裏のラベル』。ここには果たしてそれが本当にイタリア産のEXVオリーブオイルなのかどうかがわかるヒント(?)が隠されています。

オリーブオイルカフェのオリーブオイルの選び方のページにもいろいろ書いてありますのでそちらも参照いただけるといいのですが、
日本の法律ではまだまだオリーブオイルについての規定が曖昧です。
私たちが普段スーパーでEXVオリーブオイルを買おうと思い、イタリア産が欲しいな、と思ったとします。
その時、どこを見るかというとボトルの裏に貼ってあるラベルの『原産国』ですよね。

認証マーク(D.O.P)は最大の目安となりますが全てのオイルに認証マークが付いているわけではありません。

日本の表記の『原産国』について農林水産省のホームページにはっきりとこう書かれています。

『輸入加工食品の場合、食品が最終的に加工された国の名前が、原産国として表示してあります。』※農林水産省 『加工食品の表示』参照

日本で輸入オリーブオイルは輸入加工食品扱いです。なので、最終的にボトリングされた国が『原産国』になります。
でも、私たちが知りたいのは、あくまで『どこで栽培されたのか=産地』。なのに、『原産国』という表記は、あまりにも消費者に不親切で誤解を招く表記ですよね。

じゃあどーしたらいいの???

イタリアは国際オリーブオイル協会の加盟国でもあり、オリーブオイルの法律がある国ですので、こうなったらイタリア語で書いてあるラベルを読むしかありません。

えええーーー?イタリア語ぉ?

と思われるかもしれませんが、大丈夫、必要なところだけをチェックしましょう!

製造者が明記されているか探そう!

『原産国:イタリア』と書いてあってもイタリア産じゃないことが多い、というか、それだけの表記であれば、他国の安価なオリーブオイルにちょっと美味しいギリシャかスペインあたりの物をブレンドしてイタリアでボトリングしたものであることはほぼ99%間違いないです。ならば、製造者名が書いてあるかどうか!これが大きな決め手になります!

panta-ura(裏のラベルの真ん中より下あたり)
←ここの部分に(これは英語表記もありますね)『PRODOTTO ED IMBOTTIGLIATO DA(製造およびボトル詰め) AZIENDA AGRICOLA BIOLOGICA TITONE DI ANTONIA ANNA TITONE(アントニア・アンナ・ティトーネのティトーネ有機農場) 』このオイルの製造責任者がかいてありました。そしてその下にはイタリアの住所(製造場所)。

もっと小規模農家になると

panta-2←『ジリョ・フランチェスカ(人の名前)のティレディパンタレオ(商品名)』なんて書き方もありますが、その下には大抵製造場所(栽培場所)の住所が書いてあります。
そしてwebのURLに続いて『Imbottigliato・・・』と、ボトル詰した搾油所の住所と名前。小規模農家は共同の搾油所で搾ってもらうんです。

とかく見逃しがちな部分ですがとっても大切な所!なのに店頭に出ている輸入オリーブオイルは日本の消費者のために日本語表記のシールを貼らねばならず、オリーブオイルに素人のインポーターはご親切にその部分を覆って貼っていたりして、本当に困ったものです。

日本も早くオリーブオイルの専門家を交えて、本当のオリーブオイルを伝えるべく、ラベルの表記を作成するようになるといいですね!

地中海式ダイエットってなんだ?

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今月のオリーブオイルセミナーも満席!毎回楽しみにして下さる方が増え、嬉しい限りでございます^^。

さて、7月のオリーブオイル講座のメインテーマはズバリ『地中海式ダイエット』でした。

mediterranean-pyramid『ダイエット』というと、私たち日本人は『痩せること』と思いがちですが、そのほかにも『習慣的な栄養摂取(食習慣)』など、「健康的な生活習慣」という意味でも使われます。

今回のセミナーを受講された皆さまも、食と健康との関係のお話にとても興味深く耳を傾けてくださいました。

地中海式ダイエットのもととなる『地中海式ダイエットピラミッド』の詳しい説明はオリーブオイルカフェのホームページ『うわさの地中海式ダイエット』に書いていますが、この中で最も大切なポイントは『オリーブオイルを毎日摂取すること』
ゆったりとした時間の中で家族や友人とワインを片手に美味しいオリーブオイルたっぷりのパスタやお野菜を食べる・・・。食事法だけでなく、この時間や心のゆとりも地中海式ダイエットの大きなポイントだったりします。

今や世界が認める長寿大国、日本。でもただ長生きをするだけでなく、心身共に健康で幸せな人生を送るために、日本人の誇るヘルシーな和食に加え、この地中海式ダイエットの『ゆとり』を取り入れればまさに世界最強間違いなし!!
皆さんも美味しいオリーブオイルを毎日食べて豊かな日々を送りましょう!

※『地中海式ダイエット』は2010年に、『和食』は2013年にユネスコ世界無形文化遺産に登録されました。

満員御礼♥6月のオリーブオイルセミナー、無事(?)終了!

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今月のオリーブオイルセミナーはお友だちとのペア参加や、前回や1月にご参加いただいた方のリピートなど、嬉しいお申し込みで満員御礼、おかげさまで大盛況となりました^^

ただ、人数が多くなると遠いお席の方には資料が見にくかったかな、と反省。
次回からはそんなことも考慮して資料制作の見直しに励みます!

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今回メインでお話したのがオリーブオイルの健康効果。

主成分のオレイン酸のお話、微量成分だけど抗酸化作用の王様・ポリフェノール大王(・・・『大王』は勝手に付けました、すみません。。)、ビタミンEのお話など。

30分ではお話しきれないことがたくさん!
やはりオリーブオイルは奥が深いです!

そして今回のテイスティングオイルはこの3月にオーリオカピターレで総合優勝したオイル(日本未発売)を含む4種類(TOPの写真)。
参加2回目にして欠陥オイルを見抜いてくださった方も!

201406semi2後半のクッキングタイムはコンベックオーブンのまさかの予熱エラー!!!
もう一台あったオーブンレンジでどうにか事なきを終えたものの、お時間を20分もオーバーしてしまい、いつも受講後に残れる方に残っていただきコーヒータイムにしていたのですが、その時間が取れなくなってしまいました・・・。

私の下準備・チェック不足にもかかわらず、本当に皆さま、とってもお優しくて・・・

そしてそして、途中から写真が撮れなくなり、今回お料理写真がアップできません。。。(;_;)

・・・このようになぜかいつもハプニングが付きまとう私ですが、暖かい皆さまに支えられ、感謝しかありません!m(__)m
ご参加いただいた皆さま、今回アシスタントを務めてくれた岸さん(私の妹です)、本当にありがとうございました!

次回のセミナーは7月18日(金曜日)2時~、 
場所は青梅市新町のモデルハウス『郷の家』にて、

メインテーマは『地中海ダイエット』、ご紹介するお料理は『夏野菜とオリーブオイルを使った一品』です。

詳しくは近日中にこのブログのサイト
『オリーブオイルカフェ』http://www.oliveoilcafe.comの『お知らせ』にて、アップいたします。
おかげ様ですでに半数のお席が埋まっております。

皆さまとお会いできる日を楽しみにしています(*^_^*)

トマトとオリーブオイルのステキな関係

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こんな記事を見つけました。

『トマトジュースとオリーブオイルの同時摂取により リコピンの吸収が高まることを確認』

-日本女子大学、カゴメの共同研究-より

この時期、紫外線が気になりますね。
紫外線予防は塗るだけでなく体内からも予防できることを知っていますか?

トマトジュースとオリーブオイルを同時に摂取すると、トマトジュース単独で摂取するよりリコピンの吸収が顕著に高まるというのです。

トマトジュースだけでなく、生トマトやトマト加工品を使用して料理する場合でも、オリーブオイルを用いることでさらにリコピンの吸収を高める効果が期待できるんだそうです。

イタリア料理と言えばトマトソースにたっぷりのオリーブオイル。

美味しいだけではなくて、栄養学的にも理にかなっているということなんですね!

6月20日、今月のセミナーではこんなお話をさせていただきながら、トマトとEXVオリーブオイルを使った一品をご一緒に楽しみましょう。
(詳しくはこちら)

ただいまおかげさまで満席となっておりますが、キャンセル待ちでお受けしております。

キャンセルが発生した場合、順次ご連絡させていただきます。

*次のセミナーは7月18日金曜日 午後2:00〜4:00です。参加お申し込みお待ちしております(^-^)

イタリア・オリーブオイル・デー2014(JOOP-Japan Olive Oil Prize-)

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先日、六本木ヒルズにて在日イタリア商工会議所(ICCJ)主催による

イタリア・オリーブオイル・デー2014

が開催されました。

まだ日本未入荷の美味しいオリーブオイルのお味の紹介や、すでに国内に輸入されているイタリア産EXVオリーブオイルの試食販売、

セミナーの様子

セミナーの様子

そしてイタリアから農学者・イタリア政府認定オリーブオイルテイスター・フィレンツェ商工会議所化学研究所研究員などを招いてのオリーブオイルセミナーの開催、
そしてそして、今回3回目となる JOOP-Japan Olive Oil Prize-(オリーブオイルコンテスト)など、盛りだくさんなイベントでした!

中でもオリーブオイルコンテストはイタリア政府認定オリーブオイルテイスターや、世界で活躍されているパネルリーダーが審査員。
日本で唯一、EU規定に則って行われる最も信頼できるコンテストです。

この素晴らしい審査員たちが厳格に判定した審査の結果、この度受賞されたオリーブオイルが コチラ!

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デリケート部門
第1位 “L’Aspromontano”, Olearia San Giorgio (Calabria州)
第2位 “Ortice Riserva”, Frantoio Romano (Campania州)
第3位 “Laudemio”, Fattoria di Maiano (Toscana州)

ミディアム部門
第1位 “Cenzino“, Az. Agr. Vincenzo Marvulli (Basilicata州)
第2位 “Uliva”, Agraria Riva del Garda (Trentino州)
第3位 “Legno d’Olivo”, Fattoria Altomena Srl (Toscana州)

ストロング部門
第1位 “Gran Pregio Bio”, Az. Agr. Caputo Maria (Puglia州)
第2位 “Cherubino“, Terraliva (Sicilia州)
第3位 “Fam DOP Irpinia Colline dell’Ufita”, Oleificio Fam Sas (Campania州)

受賞されたオイルの生産者の方、インポーター、関係者の皆さま、おめでとうございます!

サプライズなことにこの3月、イタリアトリエステで行われた Olio Capitale(EXVオリーブオイルの展示会・私、行きました~!)で受賞したオイルもイタリア商工会議所のブースで紹介されていました!

MAMIさんと生産者のRiccardoさん

MAMIさんと生産者のRiccardoさん

そちらのブースでは私の尊敬するAISOの先輩、MAMIさんがお手伝いをされていて、気が付けば私もまさかの主催者側に!
このOlio Capitaleの受賞オイルのブースを任されて、ご案内させていただきました!

美味しいオイルたちと楽しい仲間に囲まれてプチイタリアを満喫!
とてもハッピーな一日となりました!ご一緒した皆様、ありがとう!ご来場された皆様もありがとうございました!

また是非来年、足をお運びくださいませ^^

美味しいエキストラヴァージンオリーブオイルが高い理由(その2)

Oliveto トスカーナのオリーブ畑

Oliveto トスカーナのオリーブ畑

オリーブオイルが日本の消費者に届くまで

前回、イタリアのスーパーに並ぶエキストラヴァージンオリーブオイルの値段が
5~20ユーロとお話しました。(『美味しいエキストラヴァージンオリーブオイルが高い理由(その1)』をご覧ください)

日本でこのランクのこのサイズのオリーブオイルは2500~5000円ほど致します。

(※普通のスーパーではおいていない、オリーブオイル専門店や一部百貨店等で売っている生産者のわかるオイルです。)

2倍以上します!

でも、しょうがないんです。

本物のエクストラヴァージンオリーブオイルを高品質のまま日本の消費者にお届けしようとすると、イタリア国内で販売するときには必要ない、いろいろなコストがかかってきます。

それでは美味しいオリーブオイルはどのようにして私たちのもとに届くのでしょうか?

イタリアと日本の地形は南北に延びていて、とてもよく似ています。

国内であれば陸路でも遠くてだいたい1日くらいですよね。

でも日本まで運ぶのであれば1日、というわけにはいきません。

方法によっては数か月かかってしまいます。時は金なり。

まず、一番安いのは『船便コンテナ』です。

イタリア各地で搾油され、いったん貯蔵して落ち着かせたオイルはその後瓶詰めされて陸路で港に。

普通のコンテナではすでにこの時から激しい温度変化にさらされます。

オリーブオイルはオイルの中では熱に強いほうなのですが、
激しい温度差を繰り返したり、長期間高温にさらされると劣化します。

港では船に積み込む前にコンテナヤードで待機します。

その時の温度がこちら。

そして荷積され日本に向けて出港。

赤道付近を何日もかけて通るのでコンテナ内部は60℃以上まで上がってしまいます。

庫内の温度変化はこちら。

上がったり下がったり、コンテナ内は気温差がとても激しいのです。

1~2か月かけて海を渡り、日本に到着したオイルは今度は日本のコンテナヤードに保管されます。

そこからバイヤー→問屋→小売店・・・
そしてようやく私たち消費者の手元に届きます。

この間も保管状態によって劣化する可能性があります。

輸入する側にとってはこれが最安の流通経路ですが、オリーブオイルにとっては好ましくない輸送方法です。

で、もう少し気を遣うインポーターだと

『リファーコンテナ』で輸入します。

通常のコンテナに比べてコストがかかりますが、庫内の温度が管理されるため、温度による劣化の可能性を和らげることができます。

さらに出来る限り早く、そして安全に国内に輸入する方法として

『空輸』があります。

これがベスト。値段はリファーコンテナよりさらに高くつきますが、
インポーターにとっても消費者にとっても一番安心な方法です。

その他にも輸入代行会社に支払う通関手続書類代行料など、様々な経費が掛かります。

そして、オリーブオイルを空輸されるインポーターは日本での保存管理にも気を配ります。

生産者さんが愛と手間ひまをかけて育て、搾油し、
そしてインポーターが温度管理など注意をはらって輸入したオイルは確かにちょっとお高いですが、
大量生産にはない豊かな味わいと確かな品質があります。

皆さんがこれから出会うオリーブオイルが愛情いっぱい詰まった美味しいオリーブオイルでありますように・・・

美味しいエキストラヴァージンオリーブオイルが高い理由(その1)

イタリアのスーパーにて

Ci sono varie bottiglie di olio d’oliva sullo scaffali del supermercato in Italia

祝!ブログ開通♪

何か月もほったらかしだった自分のサイトにようやくブログを付けることが出来ました!

WordPressってもともとはブログ。
素直にインストール時についているテーマ-を使えばいいんだけど、
自作のテーマで最初にサイトを作っちゃったから、さあ大変!

一応、イタリアオリーブオイルソムリエのサイトのブログなんですが、
私はwebクリエイターでもあります。

このサイト見て、『うちのサイトも作って欲しいな!』とかいう方いらっしゃいましたら


mina@oliveoilcafe.com

までご連絡くださいませ~!

(まだお問合せフォーム作ってなかった。。。
早急に作んなきゃ、あ、ブログはコメントでもいいんだ、コメントください。)

そーんなわけで、スタートします!

写真はイタリアのスーパーマーケットにて。DOPの500mlボトルが普通に並んでいます・・・
(うらやましい・・・)

日本で見たことのあるボトルもありますね。

値段もピンキリです。5~20ユーロといったところでしょうか・・・安いですね!

もっと安いのもありました。

日本と比べて日常使いがハンパないイタリアです、もうドボドボかけます。

でもなんでこんなに値段が違うのでしょうか?

それはオリーブの実の栽培・収穫・搾油方法に違いがありました。

考えてみれば、どんなものでも大量生産は安い。

・栽培方法の違い

木と木の間隔をつめて出来るだけたくさんのオリーブの実が取れるようにすると・・・

枝全体に太陽が行き渡らないようなオリーブの木からとれる実から搾ったオイルは
やはり美味しくないです、果物ですもの。

木の間隔をあけ、オリーブの実に十分太陽が当たるように剪定すると・・・

手間はかかるし、気の本数も実の数も少なくなるけど、
美味しいオイルが搾れる実ができます。

干ばつに備え、木1本1本に水がいきわたるように管を配置している農場もあります。

・収穫方法の違いIMG_3650

まずネットに落とす方法。

地面にネットをはり、機械で木をゆする、
もしくは高枝切ばさみのように手元でコントロールできる熊手のようなものでパタパタとオリーブの実を落とし、ネットを集めて収穫していきます。

ネットをはるタイミングに注目。

大きな農場にありがちのようですが、手間を省くため、
一度に農場すべての木の下にネットをはると
風で落ちた実が腐敗したり、虫に食われたり。

それを一緒に搾油すると・・・

やはり、美味しいものはできません。

面倒だけど、収穫するその日に収穫する場所にだけネットをはって
健康でフレッシュな実を使うことが出来ますね。

ネットではなく、傘をさかさまにしたようなものを木の下に広げて収穫する方法もあります。

そして、集めたオリーブの実をカセッタというカゴに入れる作業も重要。

人手を使ってここで搾る前に悪い実を選別できれば美味しいオイルになれる可能性が!

でも、これも人件費がかかります。

それから一つ一つ手摘みする方法。
時間と手間がかかりますが傷や虫食いなどをチェックできます。

でもね、この辺が難しいんだけど、あまり手摘みにこだわると、
搾る前に時間がかかっちゃって
実が酸化してしまう可能性が!

果物って、木から離れた瞬間から酸化が一気に進むんです!

摘んでから搾るまでの時間が何よりも重要です!!!

収穫後カセッタに入り搾られるのを待っているオリーブたち。

カセッタが積み重ねられ、潰されたり、通気性が悪かったり・・・

そのまま長い時間おいておくと危険です!!!

最も重要と思われる「収穫してからどれくらいで搾られるか」

これがまた難しくて、

大きな農園だと自分のところで搾油所を持っていますが

収穫量が多いので、摘んだまま長い時間待たされるものと、先に搾られるものと・・・

同じ年に収穫した同じ農場のオイルでも
ボトルのロットナンバーによって味が違ったりするのはそのせいです。

また、小さな農場だと共同の搾油所を順番に使いますので
順番待ちで待たされることも。

そして、前に搾油したオリーブオイルが酸化しているモノだったら

そのままその機械を使えば・・・もうお分かりですね。

macina di pietra

macina di pietra

・搾油方法の違い

圧搾法・・・もっとも伝統的で基本的な方法がコレ。

石臼を使ってオリーブの実をすりつぶし、

ペースト状になったものを盤状のマットに挟んで
上から圧力をかけて実と果汁に分けます。

そしてその果汁が自然と水分と油分に分離(水は下に油は上に分かれますね)、

その上澄みがオリーブオイルとなります。

この手法はほとんどが手作業のため職人的な技術と経験が
美味しいオリーブオイルを作る鍵となります。

また地域の特色や搾油所ごとにそれぞれ違った伝統的な方法が受け継がれてきていますので、一概にこの通りではありません。

そして最近はさらに品質を高めるためにいろいろな工夫がされています。

遠心分離法・・・これは2台の遠心分離機を連動して作ります。

新しい機械になると果実を練って搾って分離させて
タンクに詰めるまでいっさい空気に触れさせず酸度が0.1以下というものもあるんです!

風で葉を飛ばし、オリーブの実はベルトコンベアーで運ばれながら洗浄され、
破砕機に入り実は潰されペーストになり、
攪拌機でさらにそのペーストを練って、
遠心分離機でペーストから果汁を取り出し、
果汁は遠心分離機でオイルと水分に分けられます。

すべてオートマティック。
これなら人件費がかからない上に密閉されたパイプの中で工程が行われるので
早くてしかも衛生的。
ただ設備投資にかなりの費用が掛かってしまいます。

機械式がすべていいかというとそう簡単ではないようです。

粉砕機の砕き方が甘く粗いので実にオイルが残ってしまうそうです。

より多くのオイルを絞り出すために熱を加えて練り込みますが、

この温度が高すぎるとオリーブオイルの風味を損なうので
加熱は28℃を超えないよう設定します(コールドプレス)。

また、ペーストに水を加えて練りこむことで
ペーストを柔らかくして遠心分離機が回転しにくくなるのを防ぐのですが、

その後の脱水作業で水分と一緒にオリーブの成分が溶け出してしまうのも難点の一つです。

そのため圧搾法で作ったオイルと比べ遠心分離法で作ったオリーブオイルは
まろやかで個性が弱くなる傾向があるようです。

ですが、せっかく設備投資していい機械を使っても、
収穫してから搾るまでに時間がかかれば美味しいオイルにはなりません。

オリーブに愛情をもって
このように丹精込めて作られたオリーブオイルの生産過程を知ると
とても数百円で手に入るものではない、
ということがお分かり頂けるかと思います。

ここまでは製造工程ですが、次は日本に届くまでのいろいろをお伝えします(^_-)-☆