2015年オリーブオイルの行方(搾油所見学その1・シチリア島・ラグーサ)

プーリアにて。樹齢900年のオリーブの木と共に

プーリアにて。樹齢900年のオリーブの木と共に


年が明けてからはや20日・・・

みなさま、遅ればせながら、本年も何卒よろしくお願いいたします!

ブログのUPが遅くなりましたが、昨年10月から11月にかけて今年度のイタリアのオリーブオイルの搾油状況を確かめるため、イタリアに行ってきました。
日本にいる時にも小耳に挟んでいたのですがイタリアに着いてから愕然・・・。

今年のイタリアのオリーブオイルは70年に1度の凶作だったのです。

初のシチリア入り!
いつも日本で販売を手伝っているオイルのフラントイオ(搾油所)に行ってきました!

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幸いなことに、シチリア島(ラグーサ)のオリーブはイタリアの他の地域に比べると収穫量もわりと良いみたい。それでも例年に比べると搾油量は少ないそうです。

DOPの搾油は終わってしまっていましたが、フラントイオはまだ稼働していました。

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搾油所の風景。中はオリーブオイルを搾った香りでむせかえり、空気が重たい感じ。
まずは収穫し、カセッタ(カゴ)に入れられたオリーブたちはフォークリフトで運ばれ、ベルトコンベアーで上の方に流れていき、オリーブの葉や小枝などを吹き飛ばしていきます。

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ぐんぐん登って行く。。。

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それから洗浄、そして破砕の作業。
こちらのフラントイオでは遠心分離法を用い、オリーブの実の洗浄から破砕、抽出までがひとつのラインとなっています。

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何段階にも分けて破砕され、オリーブの実から水分を搾りやすくしていきます。
ここでは温度管理がとても重要!

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そして、搾られた水分はさらにオイルとそれ以外の水分とに分けられます。

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そうしてできあがったのがノヴェッロオイル!!!なんて美しいグリーン!

美味しいオリーブオイルを作るにはたくさんの工程があって、どれもとても重要なんですが、フラントイオで搾油機を操る職人さんたちのちょっとしたさじ加減で、おんなじオリーブの実から全然違った味わいのオリーブオイルが出来てしまいます!

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今年トスカーナやウンブリアなどでは、あまりに収穫量が少なくて、搾油をあきらめてしまった生産者さんもいらっしゃるそうで。。。
大切に育ててきたのに、自然は容赦ありません。

でもこんな異常気象を作ったのは私たち人間。
CO2排出、大気汚染などによる地球温暖化・・・自然は我々に警告しているのでしょう。

それでも美味しく出来上がったオリーブオイルはその自然からのたまもの。

今年は日本でもオリーブオイルの値段が上がりそう。
そして、イタリア人たちが口をそろえて『偽物がでまわるぞ』と言っています(^_^;)・・・

2015年はオリーブオイル業界にとって『Pazienza(我慢)』の年になりそうです。