美味しいエキストラヴァージンオリーブオイルが高い理由(その1)

イタリアのスーパーにて

Ci sono varie bottiglie di olio d’oliva sullo scaffali del supermercato in Italia

祝!ブログ開通♪

何か月もほったらかしだった自分のサイトにようやくブログを付けることが出来ました!

WordPressってもともとはブログ。
素直にインストール時についているテーマ-を使えばいいんだけど、
自作のテーマで最初にサイトを作っちゃったから、さあ大変!

一応、イタリアオリーブオイルソムリエのサイトのブログなんですが、
私はwebクリエイターでもあります。

このサイト見て、『うちのサイトも作って欲しいな!』とかいう方いらっしゃいましたら


mina@oliveoilcafe.com

までご連絡くださいませ~!

(まだお問合せフォーム作ってなかった。。。
早急に作んなきゃ、あ、ブログはコメントでもいいんだ、コメントください。)

そーんなわけで、スタートします!

写真はイタリアのスーパーマーケットにて。DOPの500mlボトルが普通に並んでいます・・・
(うらやましい・・・)

日本で見たことのあるボトルもありますね。

値段もピンキリです。5~20ユーロといったところでしょうか・・・安いですね!

もっと安いのもありました。

日本と比べて日常使いがハンパないイタリアです、もうドボドボかけます。

でもなんでこんなに値段が違うのでしょうか?

それはオリーブの実の栽培・収穫・搾油方法に違いがありました。

考えてみれば、どんなものでも大量生産は安い。

・栽培方法の違い

木と木の間隔をつめて出来るだけたくさんのオリーブの実が取れるようにすると・・・

枝全体に太陽が行き渡らないようなオリーブの木からとれる実から搾ったオイルは
やはり美味しくないです、果物ですもの。

木の間隔をあけ、オリーブの実に十分太陽が当たるように剪定すると・・・

手間はかかるし、気の本数も実の数も少なくなるけど、
美味しいオイルが搾れる実ができます。

干ばつに備え、木1本1本に水がいきわたるように管を配置している農場もあります。

・収穫方法の違いIMG_3650

まずネットに落とす方法。

地面にネットをはり、機械で木をゆする、
もしくは高枝切ばさみのように手元でコントロールできる熊手のようなものでパタパタとオリーブの実を落とし、ネットを集めて収穫していきます。

ネットをはるタイミングに注目。

大きな農場にありがちのようですが、手間を省くため、
一度に農場すべての木の下にネットをはると
風で落ちた実が腐敗したり、虫に食われたり。

それを一緒に搾油すると・・・

やはり、美味しいものはできません。

面倒だけど、収穫するその日に収穫する場所にだけネットをはって
健康でフレッシュな実を使うことが出来ますね。

ネットではなく、傘をさかさまにしたようなものを木の下に広げて収穫する方法もあります。

そして、集めたオリーブの実をカセッタというカゴに入れる作業も重要。

人手を使ってここで搾る前に悪い実を選別できれば美味しいオイルになれる可能性が!

でも、これも人件費がかかります。

それから一つ一つ手摘みする方法。
時間と手間がかかりますが傷や虫食いなどをチェックできます。

でもね、この辺が難しいんだけど、あまり手摘みにこだわると、
搾る前に時間がかかっちゃって
実が酸化してしまう可能性が!

果物って、木から離れた瞬間から酸化が一気に進むんです!

摘んでから搾るまでの時間が何よりも重要です!!!

収穫後カセッタに入り搾られるのを待っているオリーブたち。

カセッタが積み重ねられ、潰されたり、通気性が悪かったり・・・

そのまま長い時間おいておくと危険です!!!

最も重要と思われる「収穫してからどれくらいで搾られるか」

これがまた難しくて、

大きな農園だと自分のところで搾油所を持っていますが

収穫量が多いので、摘んだまま長い時間待たされるものと、先に搾られるものと・・・

同じ年に収穫した同じ農場のオイルでも
ボトルのロットナンバーによって味が違ったりするのはそのせいです。

また、小さな農場だと共同の搾油所を順番に使いますので
順番待ちで待たされることも。

そして、前に搾油したオリーブオイルが酸化しているモノだったら

そのままその機械を使えば・・・もうお分かりですね。

macina di pietra

macina di pietra

・搾油方法の違い

圧搾法・・・もっとも伝統的で基本的な方法がコレ。

石臼を使ってオリーブの実をすりつぶし、

ペースト状になったものを盤状のマットに挟んで
上から圧力をかけて実と果汁に分けます。

そしてその果汁が自然と水分と油分に分離(水は下に油は上に分かれますね)、

その上澄みがオリーブオイルとなります。

この手法はほとんどが手作業のため職人的な技術と経験が
美味しいオリーブオイルを作る鍵となります。

また地域の特色や搾油所ごとにそれぞれ違った伝統的な方法が受け継がれてきていますので、一概にこの通りではありません。

そして最近はさらに品質を高めるためにいろいろな工夫がされています。

遠心分離法・・・これは2台の遠心分離機を連動して作ります。

新しい機械になると果実を練って搾って分離させて
タンクに詰めるまでいっさい空気に触れさせず酸度が0.1以下というものもあるんです!

風で葉を飛ばし、オリーブの実はベルトコンベアーで運ばれながら洗浄され、
破砕機に入り実は潰されペーストになり、
攪拌機でさらにそのペーストを練って、
遠心分離機でペーストから果汁を取り出し、
果汁は遠心分離機でオイルと水分に分けられます。

すべてオートマティック。
これなら人件費がかからない上に密閉されたパイプの中で工程が行われるので
早くてしかも衛生的。
ただ設備投資にかなりの費用が掛かってしまいます。

機械式がすべていいかというとそう簡単ではないようです。

粉砕機の砕き方が甘く粗いので実にオイルが残ってしまうそうです。

より多くのオイルを絞り出すために熱を加えて練り込みますが、

この温度が高すぎるとオリーブオイルの風味を損なうので
加熱は28℃を超えないよう設定します(コールドプレス)。

また、ペーストに水を加えて練りこむことで
ペーストを柔らかくして遠心分離機が回転しにくくなるのを防ぐのですが、

その後の脱水作業で水分と一緒にオリーブの成分が溶け出してしまうのも難点の一つです。

そのため圧搾法で作ったオイルと比べ遠心分離法で作ったオリーブオイルは
まろやかで個性が弱くなる傾向があるようです。

ですが、せっかく設備投資していい機械を使っても、
収穫してから搾るまでに時間がかかれば美味しいオイルにはなりません。

オリーブに愛情をもって
このように丹精込めて作られたオリーブオイルの生産過程を知ると
とても数百円で手に入るものではない、
ということがお分かり頂けるかと思います。

ここまでは製造工程ですが、次は日本に届くまでのいろいろをお伝えします(^_-)-☆